

働くって、どんなことだろう?
小学3年生になった息子。
社会科の授業でスーパーや公共施設を見学し、そこで働く人に直接質問したり、お話を聞いたりする機会がありました。
普段は何気なく利用している場所にも、いろいろな仕事があり、働く人それぞれの工夫や思いがある。
そんな経験をきっかけに、仕事や職業について、もっと知ったり、調べたりしてみたいと思うようになりました。
そこで今回は、仕事の世界が広がる絵本・児童書を5冊紹介します。
実際の人物や出来事をもとにした作品(実話)も4冊。
仕事の内容だけでなく、働く人の工夫や生き方を知ることで、子どもの興味や将来の可能性を広げるきっかけになればうれしいです。
| 本のタイトル | わかる仕事・テーマ |
|---|---|
| 『三年二組、みんなよい子です!』 | 小学校の先生・人のよさを見つける |
| 『しごとへの道 1』 | (実話)パン職人・新幹線運転士・研究者になるまで |
| 『めねぎのうえんのガ・ガ・ガーン!』 | (実話)農業・働きやすい環境づくり |
| 『世界でいちばんリクエストのおおいくつ屋さん』 | (実話)靴づくり・困りごとを解決する仕事 |
| 『いたずらのすきなけんちくか』 | (実話)建築家・発想や創造力を生かす仕事 |

【moco(もこ)】
●9歳差姉弟をもつ、2児の母
●本を読まなかった子供時代から一変!こどもへの読み聞かせをきかっけに、読書にハマる
●絵本の世界観を実生活とリンクさせる子育て実践中
●詳しいプロフィールはこちら
【小学生におすすめの仕事の絵本・児童書5選】
1.「三年二組、みんなよい子です!」くすのきしげのり
もし、自分がこの先生だったら、
泣いてしまうかも…
息子と同じ「三年二組」ということで、タイトルを見た瞬間から目を輝かせてページをめくりました。
担任は、新任の滝野先生。
クラスの子どもたち一人ひとりのことをよく見ていて、その子の「いいところ」に気づいてくれる先生です。
そんな先生が始めたのが、「ええ子(よい子)の石」集め。
「ぼくも、ええ子の石をもらえたらうれしいな」
息子も、クラスの一員になったような気持ちで、ワクワクしながら読み進めていました。
特に印象に残ったのは、自分で進んでいいことをするだけでなく、自分も友達のいいところを見つけられるようになっていくところ。
クラスのみんなをよく見て、声をかけて、認めてくれる滝野先生。
読んでいる息子まで「こんな先生だったらいいな」と思ったようで、すっかり先生のファンになっていました。
子どもたちの成長だけでなく、「先生って素敵な仕事だな」と思わせてくれる一冊。
三年生になった息子と同じ「三年二組」だったからこそ、より身近に感じながら楽しめたお話でした。

(もこ)
本と共通点を見つけることは、こどもの興味をひくうえで、とても大切なことです。
2.「しごとへの道 1」鈴木のりたけ
「好き」も「寄り道」も「やってみた」も。
いつか、未来の仕事につながっていく。
この本に登場するのは、パン職人・新幹線運転士・研究者の実話。
一見すると、まったく違う3つの仕事です。
ところが、それぞれの「仕事に就くまで」を追っていくと、意外な共通点が見えてきます。
子どもの頃に夢中になったこと。
ふと心に残った出来事。
人生の途中で出会った人。
そんな経験の一つひとつが、思いがけない形で未来の仕事につながっています。
3人とも、決して一直線に今の仕事へたどり着いたわけではありません。迷ったり、立ち止まったり、別の道を選んだり。
だからこそ、「まだ将来の夢が決まっていない」という子にも読んでほしい。
いろいろな仕事や生き方を知りながら、今の「好き」を大切にしたくなる一冊です。

(もこ)
3人の方の人生ドラマをコマ割りの漫画仕立てで描いています。

僕は虫と工作とYoutuberが好き。
みんなの好きなものは何かな?
3.「めねぎのうえんのガ・ガ・ガーン!」多屋光孫
仕事に人を合わせる?
それとも、人に仕事を合わせる?
絵本の舞台は、芽が出て間もない細いねぎ「めねぎ」を育てる農園。
ある日、特別支援学校の先生が、2人の生徒を働かせてほしいと相談にやってきます。
最初は難しいと考えていた農園の社長。
しかし、先生の工夫や生徒たちの働く姿に、何度も「ガ・ガ・ガーン!」と驚かされます。
作業のやり方を工夫する。
伝え方を変える。
誰もが作業しやすい環境を整える。
そうすることで、できることが増えていくのです。
発想の転換が、農園の働き方を変えていきました。
実話をもとにした作品で、農園の社長が思い込みを覆されていく展開が大きな見どころです。
農家の仕事を知るだけでなく、誰もが働きやすい環境をつくるにはどうすればいいのか、考えるきっかけにもなる一冊です。

(もこ)
表情豊かな登場人物とカラフルな色遣いも魅力的。
イラストからも、驚きや楽しさが伝わってきますよ。

静岡県の「京丸園」が絵本の舞台です。
4.「世界でいちばんリクエストのおおいくつ屋さん」著:十河孝男 / 十河ヒロ子 絵: 本田亮
一人ひとりの「困った」に寄り添う、靴づくり
「リクエストが多いって、どういうことだろう?」
そんな興味から手に取った一冊。
靴屋さんは「靴を売るところ」だと思っていた息子ですが、靴を作る仕事があることを知り、まずそこから新しい発見がありました。
もともとは手袋工場だったのに、「お年寄りが転びにくい靴を作ってほしい」という声をきっかけに、靴づくりを始めたというのも驚きです。
でも、ただ靴を作ればいいわけではありません。
お年寄りの歩き方を丁寧に観察し、困っている人の話を聞く。
そこからヒントを見つけ、試行錯誤を重ねて、少しずつ商品を形にしていく。
さらに、2年間で500人以上のお年寄りを観察する中で、左右で足の大きさが違う人がいることにも気づきます。
車いすを使う人、足に障害がある人……。
「一人ひとり違う」ということに向き合い、その人に合わせた靴を作っていきます。
「仕事って、こんなふうに人の役に立つことなんだ」そんなことを感じられる一冊でした。

(もこ)
香川県に実在する会社のお話です。
5.「いたずらのすきなけんちくか」原作:安藤忠雄 絵:はたこうしろう
建築 × いたずら心
建築に興味をもつ第一歩に。
「建築家」って、どんな仕事?
そう聞かれても、子どもにはなかなかピンときません。
でも、その人が考えてつくった建物を実際に見て、感じてみると、少しずつ見えてくるものがあります。
この絵本で紹介されているのは、大阪・中之島にある「こども本の森 中之島」。
まず目を引くのが、大きな青りんご。
この時点ですでに、遊び心が満載です。

建築家の安藤忠雄さんは、
「建物には人を雨風から守るという役割がある。でも、それだけではつまらない。だから、建物に『いたずら』をしこむのだ」と語ります。
便利じゃないもの。
一見、無駄に思えるもの。
すぐには答えがわからないもの。
そんな「いたずら」があるからこそ、子どもは「これ、何だろう?」と立ち止まり、自分の頭で考え始める。
機能だけを追い求めるのではなく、わくわくする仕掛けをつくる。
それも、建築家の仕事なんだなと感じました。
この絵本を読んで建物に興味が湧き、実際に「こども本の森 中之島」へ行ってみました。
絵本で見た「いたずら」を、今度は自分の目で確かめる。
本を読んで終わりではなく、「実際に見てみたい!」につながった一冊です。
訪れたときの様子はこちらの記事で詳しく紹介しています。
【こどもの可能性は無限大】
仕事について知ることは、将来の夢を決めることだけではありません。
誰かの困りごとを解決する仕事
人のよさを見つける仕事
工夫や発想を生かす仕事
いろいろな働き方や生き方に触れることで、子どもが今まで知らなかった世界に出会えます。
今、夢中になっていることが、すぐに将来の仕事につながるとは限りません。
でも、好きなことを調べたり、実際にやってみたりした経験が、いつか思いがけない形で未来につながるかもしれません。
今回紹介した本が、子どもの興味や可能性を広げるきっかけになればうれしいです。

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