
夏休みの宿題で、地下や建物の絵を描くことにした小学校3年生の息子。
でも…
地面の下には何がある?
地下の建物の中は、どうなっている?
そこでは、どんなふうに人が暮らしている?
「こんな絵を描きたい」とイメージはあるものの、建物の中や地下の様子など、実際にはなかなか見ることのできない場所を描くのは難しいと感じました。
そこで、絵を描くときの参考になりそうな絵本を探してみることに。
絵本をめくってみると、普段は見ることのできない場所が、細かなイラストで描かれています。
今回は、夏休みの絵の宿題の参考に、息子と一緒に読んだ5冊をご紹介します。
まだ決まっていない方も、「何をどう描こう?」と迷ったとき、絵本の中をのぞいてみると、描きたいものが見つかるかもしれませんね。

【moco(もこ)】
●9歳差姉弟をもつ、2児の母
●本を読まなかった子供時代から一変!こどもへの読み聞かせをきかっけに、読書にハマる
●絵本の世界観を実生活とリンクさせる子育て実践中
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【地下・地中を描くヒントになる絵本】
1.「地球をほる」川端誠
地球の裏側はどう繋がっているの…?
夏休み。
「地面に穴を掘って、地球の裏側まで行ってみよう!」と、どんどん掘り進めていくお話です。
地上から見えない土の中には、石や瓶のようなゴミ、さらに掘り進めると恐竜の化石まで!
なるほど!
こういったものが地下に埋まっているとワクワクするなぁ。
地下の様子は、絵を描くときの参考になるだけでなく、「地面の下には何があるんだろう?」と想像する楽しさも教えてくれます。
そして、驚くのはここから。
読み進めていくうちに、なんと地球も、本も反対向きに!
「こんなしかけ、見たことない!」
親子でワクワクしながら、地下の世界を楽しみました。
見えないものを想像して描く。
そんな絵の楽しさにも気づかせてくれる一冊です。
2.「じめんのしたにはなにがある」文・中川ひろたか 絵・山本孝
地面の下には、どんな世界が広がっている?
小さい頃に大好きだった宝物のおもちゃを、タイムカプセルのように地面に埋めてみよう!
そんなことをきっかけに、「地面の下には何があるんだろう?」と興味が広がっていくお話です。
土の中には、木の根っこやアリ、ミミズなど、地上からは見えない生きものたちが暮らしています。
地下や地中を描くなら、
「地面の断面をどう描く?」
「地層はどうなっている?」
そんなときの参考にもぴったり。
つい「土だから茶色」と考えてしまいそうですが、絵本をのぞいてみると、土の茶色の中にもいろいろな世界が広がっていることに気づきます。
そして、最後の折りたたまれたしかけページには、ビルの地下から地下鉄、さらに地底まで、何層にもわたる世界がずらり。
地下の断面を一気に見渡すことができます。
地下を「ただの土」ではなく、いろいろなものがつながる世界として描くヒントをくれる一冊です。

実は、各ページにはひっそりと秘密が隠されていて、宝探しのような裏の楽しみ方もできるよ。

同じ「地下」を描く絵本でも、2冊で見せ方はこんなに違います。
「地下ってどうなっているんだろう?」と想像しながら、絵の参考にしてみるのも楽しいですね。
【建物や「中の様子」を描くヒントになる絵本】
地下が「見えない場所を想像する」だったのに対して、今度は外から見える建物を、内側からも見てみましょう。
3.「ずっと工事中!沢田マンション」青山邦彦
建物の中まで見える!
「暮らし」が伝わるマンション
高知県に実在する、伝説の「沢田マンション」を精密に描いたノンフィクション。
大工の沢田夫婦が、何もない原っぱに、一からマンションを作り上げていく、壮大な物語です。
ページをめくるたびに、整地され、基礎ができ、鉄筋が組まれ…。
少しずつ建物が形になっていく様子が、細かく描かれています。
建物の形や構造はもちろん、工事をする人、部屋の配置、家具の置き方など、「建物」と「そこにいる人」の両方を観察できるのが面白いところ。
まるで屋根を外したレゴのおうちのように、上から見ると部屋の中まで丸見え。どこに誰がいて、何をしているのかがわかり、本当に人が暮らしているような生活感があります。
しかも、沢田マンションは作って終わりではありません。増築を重ねるたびに、建物がどんどん変化していく。その様子を追っていくのも楽しい!
「建物を描く」ときは、外観だけでなく、その中でどんな暮らしが営まれているのかまで想像してみる。そんな視点を与えてくれる一冊です。

ここまで細かく、立体的に建物を描けるなんて感動!
「この絵が描けたら、建築士になれそう!」
4.「なつやすみ」麻生知子
上から見ると、いつもの暮らしがもっと面白く見える
主人公のこうた君のおうちに、親戚の家族が泊まりにやってくる、ほのぼのとした夏休みのお話。
麻生知子さんの絵は、上から見下ろした俯瞰図と、横から見た様子を組み合わせたユニークな描き方が特徴です。
居間を中心に描きながら、なぜかお風呂の中まで見えたり、ベランダで布団を干している様子まで見えたり。
「いったい、どこから見ているの?」と思うような不思議な視点で、家の中の様子を一度に見ることができます。
絵はとても素朴でシンプルなのに、新聞の文字や熨斗の宛名まで確認できるほど細かい。
細く正確に描き分けられているのに、どこか温かみがあって、私はこのタッチが大好きです。
そしてお話は後半、みんなでお祭りへ。
観音開きになったページいっぱいに描かれる、お祭りの地図のような俯瞰図も圧巻です。
「どんなお店が並んでいるのかな?」
「こうた君はどこにいるのかな?」
細かなところまで覗き込みながら、まるで自分もお祭りの中にいるような気分で楽しみました。
建物を描くとき、外観だけでなく、そこにいる人の動きや暮らしまで描いてみたい。
そんなときに、ぜひ参考にしたい一冊です。
5.「りょこう」麻生知子
まるで屋根のないドールハウス!
細かなところまで描きたくなる
さきほど紹介した『なつやすみ』と同じ、麻生知子さんの作品です。
おじいちゃんと旅行に出かけたこうた君。
新幹線に乗ったり、旅館で温泉に入ったり…。どこの家庭にでもあるような、ほんわかとした「旅行」を追体験できるお話です。
『なつやすみ』と同じく、絵は上から見下ろしたような俯瞰の構図。
新幹線の中にいる人物は、表情ではなく頭のてっぺんが見えます。でも、車内だけでなく、窓の外を走る別の新幹線や、立ち並ぶビルまで描かれています。
まるで屋根のないドールハウスを広げた(展開した)ような、不思議で楽しい描き方。
そして、親子で特に感動したのが旅館の食事です。
小さく描かれているのに、ほかほかのご飯、天ぷらの衣、お刺身のぷりぷり感まで伝わってくる。
和食を引き立てるお皿の絵柄まで、細かく描き込まれています。
小物の一つひとつまで丁寧に描かれたイラストは、「こんなふうに描けたらいいな」と思うけれど、なかなか真似できないほどの細やかさ。
建物の中の様子や、家具、小物、食べ物まで細かく描き込みたいときに、ぜひ参考にしてみてください。
「どこから見ているんだろう?」と考えながら絵を眺めるだけでも、描きたいものがどんどん見つかってくる一冊です。
【絵本を「読む」だけじゃない。絵を描く目線で見てみよう】
絵の宿題で「何を描こう?」と迷ったとき、絵本を開いてみる。
物語を楽しみながら、
「この建物、どうなってる?」
「地下には何がある?」
「この部屋には何が置いてある?」
「ここに人がいたら、何をしている?」
そんなふうに、絵を見る目線を少し変えてみる。
すると、「描かなきゃ」だった宿題が、「これを描いてみたい!」に変わるかもしれません。
絵本は、絵の描き方を教えてくれるだけではなく、「何を描いてみたいか」を見つけるきっかけにもなりますね。

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